Canon EOS R50ミラーレス一眼カメラで外部フラッシュストロボを利用する方法

Canon EOS R50ことCanon R50では、ホットシューに取り付けるタイプのクリップオンストロボを利用することができない。なぜなら、そもそも一般的なホットシューが存在していないからだ。

だからCanon EOS R50に対応している純正ストロボを利用するか、CanonマルチアクセサリーシューアダプターAD-E1を購入するか、最後の手段として外部フラシュストロボのスレーブモードを利用する必要がある。

今回は、Canon R50における外部ストロボの利用方法を紹介する。

Canon純正ストロボ

まずCanon EOS R50に関しては、CanonからFAQ(良く問い合わせを受けることへの回答説明)が公開されている。

Canon:【デジタル一眼レフカメラ・ミラーレスカメラ】使用可能な外部ストロボ/ストロボ関連アクセサリー 一覧表

この記事を書いているのは2025年12月14日だけれども、FAQの更新日は2025年11月18日となっている。現時点での最新情報だと考えて良いだろう。

ともかくR50VとR50は、21ピンのマルチアクセサリーシューしか装備されていない。従来アクセサリーシューは装備されていないのだ。だから従来から一般的に使用されているストロボはもちろん、Canon純正のEL-100ストロボも利用することができない。

利用したければ、CanonマルチアクセサリーシューアダプターAD-E1を使用する必要がある。

CanonマルチアクセサリーシューアダプターAD-E1

さて実際に試してみないことには、コスプレイベントなどの現場で撮影作業に投入することはできない。「いざ本番!」で上手くいかなかったら、目も当てらない。(と、言いつつ、事前テストしているのに何度も失敗した経験がある…… お恥ずかしい限りだ)

ともかく注文して届いたAD-E1アダプターは、白い箱の中に入っていた。「Canon多機能シューアダプター」と、商品名が微妙に違って印字されている。

それはともかく、さっそく開封してみた。

カメラ…… フォトグラファー(写真家)にはお馴染みの、従来型ホットシューの接続端子が見える。やれやれ、これならば大丈夫そうだ。

さっそくCanon EOS R50に装着し、さらにワイヤレスフラッシュトリガーとストロボを装着してみた。

御覧の通りで、けっこう縦方向に長くなる。これに大型のクリップオンストロボを装着するのは無理がある。せいぜい単三電池2本で利用可能なCanon EL-100程度が良さそうな感じだ。

ちなみにNEEWER製のワイヤレスフラッシュトリガー受信機に装着されているのは、Ulanzi SL03というLEDライト付き小型ストロボだ。暗い場所の室内撮影ならばともかく、屋外撮影で逆光対応するような場合には『完全な出力不足で全く役に立たない』という代物だ。
(誰だ? これを適当に絶賛したプロ写真家は?)

外部フラシュストロボのスレーブモード

さてCanonマルチアクセサリーシューアダプターAD-E1というかCanon多機能シューアダプターAD-E1だけれども、現在は品薄な状態となっている。ヨドバシカメラやビックカメラなどでは、2025年12月14日現在で納期未定だ。おまけに『相応の価格』となっている。

そういう場合は、「AD-E1が入手できないのだったら、AD-E1なしで使ってしまえば良いじゃない」である。

写真に写っているのはNEEWER TT560という格安ストロボだけれども、マニュアルモード(M)だけでなく、スレーブモード(S1/S2)も装備している。このスレーブモードというのはスタジオ撮影などで利用されるのだけれども、マスターとなるストロボの発光をスレーブ側のストロボ受光部分が受けて、複数のスレーブ側ストロボが一斉に発光するという使い方だ。

ちなみにストロボ発光はTTL撮影(調光発光)のご時世で、まずは設定を確認するための予備発光と本番発光で2回発光するようになっている。どちらに合わせるかでS1/S2モードを選択する。我々の場合はS1モードで利用する。

そしてこの使い方は、別にスタジオ撮影に限定しなくて良い。先日もアコスタ池袋のコスプレイベントに参加した時には、上記の画像と同じような構えてコスプレイヤーさんを撮影している人がいた。

そもそも体感で半分くらいのカメラ所有者が、現場ではカメラ本体のホットシューにクリップオンストロボを装着している。だからライトスタンドにストロボを括りつけずに、手持ちでストロボ利用しても「ごく普通の光景」となる。

ちなみに自分にしても三脚やライトスタンド利用禁止の時には、手持ちでストロボ使用することになるだろう。某有名プロも、実際に体験したことがあるとXで発言していた。

なお一般的に受光部は被写体であるモデルさん/コスプレイヤーさんに向いている。だから今回はS1モード撮影用に、わざわざ首振りさせてみた。これだと設定情報や充電状況を直接見ることができないけれども、まあ実用的には全く困らない。

まとめ:まずは経験値アップ

以上の通りで、何かと話題のCanon EOS Rであっても、とりあえず外部ストロボというかクリップオンストロボを利用することが可能だ。今まで外部ストロボの利用経験のない初心者は、ともかく適当なフラッシュストロボを購入し、実際に試してみることをお勧めする。(もちろんM/S1/S2モードを利用できるストロボであることが最低条件だ)

なお「GODOXはファームウェアをアップデートすればR50でも利用可能らしい」などと怪情報を耳にしたけれども、コンピューター機器を開発している会社の技術者としては、果たしてどこまで本当なのか注意深く確認する必要があると考えている。

それから同じメーカー側の立場でのコメントになるけれども、正規サポート対象外のことには挑戦しない方が良い。そういうことに挑戦してトラブルが生じても、メーカーとしては「保証対象外の御利用なので何も対応できません」という返事をせざるを得ない。気の毒だけれども、無茶な使い方をして相談されても、メーカー側のぎじゅ者は魔法使いではない。想定外のサポート対象外の利用をされてトラブル遭遇して困ったと言われても、どうしようもない。

メーカー保証の対象外のことをやる場合には、くれぐれも「自己責任。メーカー保証が受けれなくなることもある」を念頭において頂けると嬉しい。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野正樹