コスプレイベントでのコスプレイヤー撮影に携帯ストロボは役立たない件

Ulanziの携帯ストロボSL-03を絶賛する人がいたので、コスプレイヤーさん撮影に使ってみた。

結果として「夜イベントやホール内撮影では役立つけれども、昼間は全く役立たない」ということが分かった。今回は良かった点と、どうしようもなかった点を紹介する。

小さくて便利なUlanzi SL03

まず最大の特長は、手の上に収まるコンパクトサイズであることだ。

USB-Cで充電可能であり、机の上に置きっぱなして常時スタンバイさせることができる。冒頭画像のように、LEDライトも装備されている。先日は子供のマイナンバーカード写真をスマホ撮影するには、このLEDライトを使用した。
(わざわざ撮影用に確保してある機材を取り出すのが面倒だった…… 非道な親)

カバンの中に入れても、全く重さにならない。そのおかげで、いつでも気軽に持ち歩くことができる。

長所:軽くて高機能

出力も4段階調整できる。冒頭画像のように白い板で発光をバウンス(反射)させることで、屋内や夜間だったら大型クリップオンストロボと遜色なく利用できる。

ともかく小さくて軽いことは『正義』だ。APS-C機カメラにクリップオンストロボを装着してみた者から、「大きくて重くてイヤだ!」という悲鳴を聞くことが多い。しかしUlanzi SL03ならば、そんなことは全くない。

多機能ホットシューアダプターを必要とするCanon EOS R30に装着しても、全く違和感はない。

ちなみにCanon EOS R50にAD-E1多機能ホットシュー変換アダプターとEL-100フラッシュストロボを装着すると、次のようになる。

短所:出力不足

さて小さくて便利なUlanzi SL03だけれども、TTL発光で利用できない以外に大きな欠点がある。だからコスプレ撮影において、普段使いのストロボとすることは無理だ。

それが『出力不足』という問題だ。少なくともバウンスカードのように、日中の屋外で幅広く光を拡散させる使い方はできない。

そうなるとストロボの発光する方向をコスプレイヤーさんに向けることになるけれども、それでも光量が不足する。せいぜい顔に光を当てて、瞳の中に反射光を作ることが出来る程度だ。

そして顔しか照らせない状態だと、コス衣装は逆光状態のままでバランスが悪くなる。

そりゃ、光を棒状の筒から発光させるようにすれば、レーザービームのようになって小出力でも長距離にストロボ光を届けることができる。だからガイドナンバーをGN60にすることだって可能だ。

しかし肝心のコンデンサーに蓄積できる電気量が貧弱で、ライト部分も超コンパクトだ。こればかりはどうしようもない。

まとめ:コスプレ撮影では役に立たず

以上の通りで、残念ながらコスプレイヤーさんをコスプレイベントで撮影するのには、Ulanzi SL03では役不足だ。ただし日常的には役立ってくれるし、停電時はLEDライトとして利用できる。スマホにもライト機能はあるけれども、あまり非常時はバッテリー消費したくない。

そんな訳でSL03は日常的に持ち歩く便利ツールだけれども、コスプレ撮影のフラッシュストロボとしては使い物にならない。残念なことだけれども。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野正樹