これからの有名コスイベ撮影には必須となる35mmレンズ

本記事では、これからのコミケやアコスタ池袋における標準仕様となる35mmレンズを紹介する。いや、これから必須というよりも、すでに必須になっていると言えるかもしれない。
ただし35mmレンズを使ってコスプレ撮影やポートレート撮影をするのは難易度が高い。躊躇する人も多いだろう。そこで今回は、どうして冬コミや夏コミやアコスタ池袋で35mmが必要になるかと、使用時の注意点や撮影における工夫方法を紹介する。
ちなみに自分が現在使用しているレンズは、次の2つだ。「どうして23mmなのに35mmなの?」と不思議に思う人もいるだろうから、そのあたりも含めて解説する。(Canon EOS R50カメラと富士フィルムX-M5カメラの2台体制だ)
焦点距離35mmの理由
まず最初に断っておくと、コスプレ撮影のお勧めは単焦点50mmレンズだ。別にコスプレ撮影に限らずに35mm判フィルム焦点距離50mmのレンズは、一般的な写真家の世界でも『標準レンズ』と呼ばれている。広角パースの影響も『ほどほど』であり、今までは焦点距離50mmレンズを使いこなせることが一流カメラマンの証明となっていた。
理想を言えば人物撮影は、35mm判フィルム焦点距離70mm以上のレンズが望ましい。70mm以上あれば、レンズの歪み……広角パース効果は殆どゼロになる。つい先日もプロのコスプレカメラマンである井田達也さんからコメントを頂戴した。

「イベントでの背景処理や歪みを考えたら引けるなら85mmは最高ですよね…!」
同じくプロのコスプレカメラマンである乃木章さんは、2024年の冬コミにSONY FE 24-70GMⅡ F2.8を持参した。ただし彼も勝負レンズは、Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Asphericalだった。
そういえば乃木さんと言えば、東京コミコン2025は幕張だけあって撮影スペースに余裕があったらしい。フォクトレンダーの単焦点75mmレンズを持参したとのことだ。
ちなみに乃木さんは35mm判フィルム焦点距離40mmで撮影する場合の画角の独自性を強調していたけれども、あれは初心者向けの宣伝文句に近い。なぜなら現在のSONYカメラは6000万画素を超えるものが多く、単純に35mmで撮影した写真の周辺部分を切り落とし(トリミングやクロップと言われる)して、40mmで撮影したのと同じ写真を撮ることができる。
初心者だったら液晶モニターの映像に引き摺られてしまうかもしれないけれども、さすがにプロならば感覚的に対応可能だ。それに初心者であっても40mm相当部分に液晶フィルムを貼るなどすれば、40mmレンズ化することができる。
カメラのセンサー画素数や背景ボケに必要な絞り値(F値)を考慮しなくて良ければ、「焦点距離35mmは全ての焦点距離を含む」と言える。
なお一方の井出達也プロは、2024年の冬コミには池袋ハロウィンフェスティバル2025一日目と同じく15mm-35mm F2.8ズームレンズを持参した。そして二日目は35mm F1.4レンズを持参した。
さてどうして二人が焦点距離50mm未満の35mmや40mmを利用しているのかというと、理由は簡単だ。「混雑していてコスプレイヤーさんとの距離を確保できない」からだ。乃木さんに至っては混雑に加えて機材重量も勘案して、三脚やライトスタンドさえ持参しなかった。
お世話になっている超ベテランのハリー(hurry1984)さんにも、「小野君、今のアコスタ池袋は混雑しているから単焦点50mmレンズじゃダメだよ。35mmにしなよ」とアドバイスされた。
ただし慣れない者に焦点距離35mmは大変だ。2025年11月30日のコスプレイベント撮影講習会でも、井田達也プロに質問したら「今日のお勧めは単焦点50mmレンズです」と言われた。それで自分としてはメイン機にShigma 30mm F1.4 (&変換アダプタ) を装着し、サブ機を単焦点50mmレンズという組み合わせで行くことにした。
自分の選択理由を説明しておくと、ハリーさんのお勧めもあったし、初心者レイヤーさんは全身撮影を希望することが多い。もちろんメイン機の30~35mmでで撮影した写真データを50mm相当に加工しても構わないけれども、そうすると背景ボケが甘くなってしまう。人混みで混雑しているアコスタの背景を可能な限りボケさせたかったので、井田達也プロのアドバイス通り、単焦点50mmレンズのサブ機も投入することにしたという訳だ。
ちなみに結果から言うと、SNSへアップされた写真は圧倒的に焦点距離50mmレンズで撮影した画像が多かった。35mmや40mmを使いこなすというのは、なかなか大変だ。
35mmの注意点
35mmで撮影する時の工夫
まとめ:35mmのお勧めレンズ
コスプレ撮影の初心者にお勧めのストロボ







