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【ネタバレ有】相棒 第11話「密着特命係24時」とパンダ(ひまカップ)

Mikanお嬢様が、唐突に「24時間テレビの “相棒” は観ないの?」と質問なさって来た。

どうやら正月に久しぶりに特別番組の相棒を録画した際、私が相棒を観続けているのだと勘違いなさったらしい。下記の記事でも少し言及したけれども、考えを纏める良い機会だと思う。第11話「密着特命係24時」をメインとして、元旦スペシャル第10話「ディーバ」も交えて感想を紹介したいと思う。

と、その前に、まずは上野動物園のシャンシャン人気もあることだし、こちらを紹介しておこう。

第11話「密着特命係24時」

ともかく録画を再生してみたら、捜査一課を対象とした、米国TV番組などでお馴染みの24時間密着取材だということが分かった。

そりゃ、ま、最初から特命係を対象にした24時間密着取材というのはありませんな。

ストーリーとしては3年前の女性刺殺事件に関係した弁護士が死亡し、その現場には事件に関係した元警察官がいたところから始まる。奇妙な暗号部署が見つかり、それが3年前の事件とも関係しているように見えるところから、話が展開していく。

24時間追跡取材風の画面には目を引かれるが、それを取り除いてしまえば、録画画像に移っている人物に右京さんが気が付いたというのが全てである。

今どきは専門家でなくても暗号解読する時代であるし、情報を集めて整理すれば、一通りのことは分かる。東野圭吾氏のガリレオ湯川学教授のように、「警察の気付いていない事実」に気が付くのは、湯川先生が物理学者だからである。

(もちろん右京さんにしても湯川先生にしても、稀にみる頭脳の明晰さは持ち合わせている。ただし世界中を探しても稀だという程ではない)

結局、犯人は女性刺殺事件で死亡した男性の関係者で、動機は「手軽にお金が欲しかったので、違法行為してお金を得ていました」だった。なんだかバブル期に苦労せずにお金を儲けていた人が、通常の景気に戻った現在に適応できなかったというだけのように見える。

最後に右京さんが、プルプルっと犯人を叱りつけるけれども、これは別に右京さんでなくても怒鳴りつけるだろう。最近職場に配属される若手も常識人が多く、このストリーを読んで貰ったとしたら「まったく興味を持てませんね」と言われてしまいそうだ。いったい誰に向けて作ったストーリーなのか、失礼ながら監督や脚本家に尋ねてみたいような内容だった。

しかしこれが第11話だけならば良い。問題はベテラン陣が取り組んだ元旦スペシャルの第10話も同様だったことだ。もちろんこちらは右京さんの特長が生かされており、また最後は「大切な家族」という落としどころはあった。しかし動機が “20世紀” で、話の展開も “20世紀” である。現実の世の中は超高齢化社会なので20世紀的な方が現実的だけれども、想定視聴者が完全に高齢者に絞られているような印象を受けた。

たしかに今時の若者はTVなど観ないという話も漏れ聞くし、私自身がTVを観ることがない。そうなると “視聴率” という最重要事項に対応するためには高齢者を想定する必要があるのかもしれない。

しかしMikanお嬢様のために本を探す日々の続くヒツジ執事からすると、ラノベやマンガの方が遥かに内容充実しているような気がする。ヒツジ執事にしても若者に貢献したいという考えを持っているし、現在の多くの高齢者が同様なのではないかという気もする。

ここらへんはもうちょっと考えるか、潔く右京さんは主役の座を降りた方が良いのではないかという気がした。

人気はティーカップよりもパンダ(ひまカップ)

さてそうは言いながら、ヒツジ執事は右京さんと同じメガネを持っているし、冒頭画像のように同じティーカップも持っている。職場では特命係のような仕事をしているし、”右京さん” と冗談で呼ばれることもある。

しかし実は右京さんと呼ばれている私は、メガネはツーポイントのフチなし眼鏡だし、ティーカップはリチャードジノリだったりする。

つまりヒツジ執事は、雰囲気や能力で “右京さん” と呼ばれているのだ。

もちろんティーカップに関しては、不満は全くない。

ティーカップというものは指を入れずに持つ必要があり、このティーカップは持ち方を訓練するには格好のカップだったりする。(リチャード・ジノリは評判が高いだけのことはあって、実に持ちやすい)

それにチェス模様のカップというのは希少な存在である。相棒ティーカップではなく、「チェスをする心境で仕事のことを考える」という使い方で大変に役立ってくれる。

むしろ相棒ファンであれば、角田課長の使っているパンダのマグカップ (ひまカップ) の方がハッキリとしていて分かりやすい。愛嬌もある。

第11話では最後に角田課長を24時間密着取材するとしたら何と愛称付けするかという話があったが、「パンダ・デカ」とのことだった。そのくらい、このカップは分かりやすいと思う。

そういえば細かい点を指摘するのも何だけれども、「ワイルド・デカ」と「オールバック・デカ」が気に入らないという右京さんには、「インテリ・デカ」という愛称を付けることが出来るかと思う。(おそらく全員が気付いていたと思うけれども、さすがに「インテリ」というと角田… じゃなくて、角が立つので全員黙っていたような気がする)

金田一耕助か古畑任三郎か

さてところで動機の古さという点では最後の名探偵 “金田一耕助” があるかと思う。

ただし彼は右京さんのような頭脳はないので、犬神家の一族でも「頭の上の雀の巣をかきまわしながら、おのれの不甲斐なさをなげいたことであろう」と苦労したとのことだ。

そして残念なことに、せっかく書き抜いた重要事項の箇条書きを生かすことが出来なかった。それを生かすことが出来れば、さらなる悲劇の続発は防げたかもしれないというのに。

そして金田一耕助は、”病院坂の首縊りの家” を最後の事件として、渡米して行方不明になった。たしかに己の無力感にさいなまされれば、最後はどこかへ消え去ってしまいたいという気持ちは分からないでもない。

ただし金田一耕助は、それで果たして本当に満足した生活を送ることが出来たのだろうか?

たとえ米国へ行っても、自分は自分である。そこで困っている人がいれば、助けたくなるのが人情だろう。そして彼は、探偵という職業に能力を特化させている。と、いうか金田一耕助には、他分野で自分に適した職業というものがなかった。

そう考えると、米国でステキな余生を送れたとは到底想像できない。あまり楽しいラストではない。

さて一方で、我らが杉下右京さんはどうだろうか。

彼は東大法学部を主席卒業した頭脳の持ち主で、英語にも堪能である。警察とという視点から、実社会を眺めて生きてきた。

まさにかつて金田一耕助役で活躍した石坂浩二氏の演じる甲斐次長がコメントしたように、彼は警察から追い出されたとしても、少しも困るようには思えない。追い出されることを躊躇するとも思えない。

その気になれば、どこかの企業の参謀として活躍できるだろう。人脈もそれなりに持っていそうだ。

このような杉下右京というキャラクター、最終的にはどのようなラストにするつもりだろうか。

推理ドラマというと、田村正和が演じた古畑任三郎も有名だ。彼の場合は、「これからも古畑任三郎は活躍するぞ」という期待感を持って終わることができた。

しかし最近の相棒は、元旦スペシャルにしても “時代に取り残された杉下右京の限界” が出てしまっているような気がする。

「終わり良ければ、全て良し」ともいう。

ぜひ相棒ファンだったものとしては、華麗なエンディングを期待していたりする。

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P.S.
ちなみに杉下右京さんの使っているチェス模様のティーカップは、TVアサヒのオンラインショップで購入可能だった。(私はヤフオクで中古品を格安購入できたけれども、結構良いお値段である)