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「バズる文章教室 by 書評ライター:三宅香帆 」で、私に刺さった部分

自称「文芸オタク」の三宅香帆さんが、「バズる文章教室」を出版しています。

音楽的センスや文才のない私には、Twitter やブログでバズった方には興味があります。

そこで今回は、「バズる文章教室」を紹介させて頂きたいと思います。

(図書館で4名待ちして、ようやく借用しました)

結論を最初に書いておくと、数か所は会社の資料作成でも、指導を受けた内容でした。

ただしそれ以外は、内容重視タイプの私には、縁のない話でした。

(そもそも「文章教室」ではなくて、経験談の羅列です。彼女の門下生の評判も聞かないし、教師ではなくライターさんです)

三宅香帆さんと本書の構成

まず著者の三宅香帆さんですが、2019年3月に京都大学の大学院を退院しました。

東京物語:京大を退院します!(2019年3月23日)

ブログを読むと、博士というものを根本的に勘違いしているような気もします。しかし指導教官と話し合った末でしょうし、それも彼女の人生でしょう。

実は大学院に入学して、博士号を取得する人は多くありません。彼女のように合わないと思って退院する人もいれば、能力や資質が向いていなくて退院する人もいます。

私から見ると興味深い人だし、大いに才能のある人です。アカデミックの世界は、誰もが納得できる知見を、それはそれは地道に積み上げていく世界です。

別に博士でなくても彼女は彼女だし、今後も活躍を期待したいと思います。

ただし本書なのですが、タイトルはさておき、構成はアカデミックの影響を大きく受けています。

まずタイトルが4テーマに分かれています。そして各テーマでは、彼女がイチオシの人物と文章を紹介しています。

まるで一昔前の講義のようなスタイルです。これを全てクリアすると、成績というか、実力となって表われる… ことはないでしょう。

例題がないので、無いよは知識としてインプットされるだけです。読者が自分の力で体得する必要があります。

そう、”読者” です。これはテキスト(教科書)ではなくて、実は読み物なんです。

それをテキストにまで昇華できるかは、読み手次第です。

  • バズるつかみ どうすれば、振り向いてくれる?
  • バズる文体 どうすれば、心を開いてくれる?
  • バズる組み立て どうすれば、楽しんでもらえる?
  • バズる言葉選び どうすれば、思い出してくれる?

そして彼女の目的は、「文章で的確に伝える」ではないとのこと。「文章で楽しんでもらう」ということなのだそうです。

私はウケ狙いの文章を書いていると、しばしば指摘されます。しかし会社の仕事の関係で、「文章で内容を的確に伝える」ことに重点を置いています。

実は本書を入手したのも、その一環です。だから今回は単なる内容紹介でなく、「文章で内容を的確に伝える」ことに役立ちそうなことを紹介したいと思います。

内容紹介

マンガ「鬼滅の刃」では、主人公は10の技を駆使します。

しかし三宅香帆さんの場合、ざっと数えると49名の技を紹介しています。

全部はやっていられないので、事実を的確に伝えるのに役立ちそうな部分のみを紹介させて頂くことにしましょう。

最初に意味不明な言葉を放り込む

“すごく実り大きな二泊三日になって、改めて、なんで「合宿」というものに参加しようと思ったかと言うと、合宿ってポロリが多いんですよね。”

この「ポロリ」が意味不明な言葉です。

セミナーに参加した人は経験あるでしょうが、社会的立場のある講師は、常日頃は慎重に振舞っています。ただしさすがにセミナーでの説明内容が佳境に入ると、少しでも聴講者の理解度を深めたくなって、「オフレコ」情報を提供してくれます。

これが「ポロリ」です。

このように意味不明な言葉があると、読者は好奇心を掻き立てられます。これがバズることに有効なのだそうです。

ちなみに先ほど論文が話題に出ましたが、論文の冒頭部分では、気にせず意味不明なことを書きます。そして後で、それが何であるかを説明します。

これ、たしかに効果的です。さすがは冒頭に持って来ているだけあります。

問いを共有する

“どういうわけか洗面台がビシャビシャになるんです。”

「どういうわけか」で、読者と悩みを共有する方法です。ちなみにこれ、別に「どういうわけか」の答えを説明する必要はありません。

要は読者が満足すれば良いのです。「共感」が大切なのです。

なお似た技法としては、「問いから書き始める」という方法があります。そしてこの場合、あえて「問い」には「答えの分かりそうにない問い」を用意します。

“世界を代表する三つの国の映画産業 - アメリカ映画とフランス映画、そして日本映画の違いって何だろうか? そういう問題提起がある。”

どこぞの某ブログで、毎日更新を900日近く続けている御方も、これと似たようなアプローチのように見えます。

日常から非日常に展開する

これは私もブログでは見倣いたい技法です。

書きたいテーマがあって、どういう話から始めれば良いか困った時に使うのだそうです。

私の場合だと、「結論ありき」で文章を組み立てます。そういった場合、普通は結論の根拠を列挙します。

ここでは、日常的なことだとか、当たり前のことから入って、話を結論へ持って行くのです。ぜひ機会があったら、実践してみたい技法です。

ちなみに森鴎外の場合は、昔話から始めることが多いのだそうです。

“古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だということを記憶している。どうして年をはっきり記憶しているかというと … ”

某漫画の森鴎外は「最適解」を求めるのが好きですが、こういう形で部下に話しかけても面白いかもしれませんね。

ちなみに北原白秋の場合は、二つのものを並べて、それを比較することから話を始めるのだそうです。

読みたくなるリズムを使う

かの村上春樹先生が、「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」で説明しています。

「もしその文章にリズムがあれば、人はそれを読み続けることでしょう。でももしリズムがなければ、そうはいかないでしょう。二、三ページ読んだところで飽きてしまいますよ。リズムと言うのはすごく大切なのです。」

 “音楽の鳴っている間は、とにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい? 踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。そんなことを考え出したら足が停まる。一度足が停まったら、もうおいらには何ともしてあげられなくなってしまう。あんたの繋がりはもう何もなくなってしまう。永遠になくなってしまうんだよ。” (村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」)

私のような一般人が書くと、「朗読しにくい文章」に仕上がってしまいます。ここが大きな改善ポイントとなります。

また言葉のリズムとは、「一定のパターンの繰り返し」なんだそうです。先の村上春樹の文章は、言葉と言葉の切れ目ごとの音節の数が、ずっと一定なのだそうです。

そして生まれつきリズム感のない私のような者は、「一文を短くする」ことがオススメなのだそうです。これ、会社でも頻繁に言われることですね。(^_^;)

10年前に買ったバッグが破けてしまったので買ったお店に持っていったら、昔のモデルだから修理できないと断られた。新しいバッグを買わなければと思うが、忙しくてなかなかめぼしいバッグを見つけられない。

バッグが破けてしまった。10年前に買ったものだ。買ったお店へ持っていくと「昔のモデルだから、治せへんよ」と言われてしまった。うーん、新しいバッグを買わなければ。でも、忙しくてなかなかめぼしいバッグを見つけられない。

なおこれと似た技法として、「」で括るという手もあるそうです。こちらは単に括るだけでなく、そこに印象的なセリフを入れることも出来ます。

私も最近は「」を多用していますが、ぜひ見習いたいものです。

それと短い文で、さらに語尾をぶった切るという方法もあるのだそうです。たしかに体言止めは効果あるし、これも覚えておいて損はないでしょう。

あとは基本的ですけど、長い文章は短くしようとして、漢字が多くなります。ひらがなの方が柔らか印象だし、読みやすいです。

短文で構成する場合には、ひらがなを効果的に使うのも一案でしょう。

まとめ

今回は以上です。

「文芸的に楽しい文章を書くコツ(テクニック)」とのことですが、文章の内容を的確に伝える訓練にも役立ちそうです。

それにしても、正直いうと、どれも一度は指導された項目のような気がします。

もしかすると「読んで楽しい文章」と、「読んで理解しやすい文章」は両立するのかもしれませんね。

普通は、訳の分からない文章を読んでも楽しくないですし、楽しくない文章は理解しようとする意欲が衰退してしまいますので。

それでは、今日はこの辺で。

ではまた。