モンブラン

モンブランのボールペンのオススメ1位はマイスターシュテュック【30本の体験談】

数十年前はどこの筆記具メーカーでも定番ボールペンは1本で、例外はイタリアのアウロラやデルタ程度でした。

最近では高級ボールペンの定番と呼ばれるモンブランでさえ、各種ラインナップを販売するようになりました。

しかし結論から言ってしまうと、やはりモンブランのマイシュターシュテュックが、誰にでもフィットする定番の一本となります。

今回はその理由を、他のボールペンと比較しながら説明させて頂くことにしましょう。

ボディ(軸)の太さの歴史

まず私は文具ライターの小日向京さんと同じ世代に属しており、もう数十年も筆記具を使っている者です。父親がクロスのボールペン一辺倒で、母親がセーラーの万年筆を好んでいました。義父はモンブランの万年筆が中心でした。

そういう意味ではエイ出版社の「世界のペンブランド」に目を通すと、知らないものは殆どありません。知人や先輩/後輩などを通して、大抵のもの(万年筆を除く)は、実際にお目にかかったことがあります。

その経験で知っているのですが、シャープペンシルやボールペンで太軸が登場する前は、クロスのクラッシック・センチュリーのように細軸が多かったです。これは昔は鉛筆が主流で、基本的に鉛筆の感覚を踏襲していたからです。

ファーバーカステルの伯爵コレクションも、やはり鉛筆並みの太さの筆記具です。

モンブランのマイスター・シュテュックなどは、むしろ逆に「太い」と言えました。これは万年筆は旧タンク方式だと容量的な問題があって太軸とせざるを得ず、それと類似した筆記具というコンセプトで商品化されたことに影響されます。

最近では鉛筆の時代が短くなってシャープペンシルが普及しましたし、海外でも鉛筆から一気にボールペンへ移行するようになって来ました。このため筆記角度が90度近い人も多くなり、太軸筆記具の流行といった流れが生じました。

ちなみに文具ライター小日向京さんの「惚れぼれ文具」を拝見すると、筆記具を斜めにするクセがあるという小日向さんでも、シャープペンシルで60度程度を確保しています。

私は万年筆生活が長かったせいか、万年筆派の母親を書き方を真似してしまったせいか、筆記角度は45-50度がベストになります。したがってクロスやカランダッシュのような細軸ボールペンでも、インクフローに問題がなければ、快適に利用することが出来ます。

しかしこの角度でインクフローを確保できる替え芯(リフィル)は多くなく、現時点で使いこなせるのはモンブランのジャイアントリフィル(F,M)やクロスのM、三菱ジェットストリームの0.5mm以上だったりします。素直に万年筆を使えば良いのかもしれません。

モンブランのボールペンの種類

モンブランのボールペンとしては、主に下記のような種類が存在します。

  • マイスター・シュテュック(標準)
  • PIX/ジェネレーション(細軸)
  • スターウォーカー(太軸)
  • ボエム(短軸)
  • 作家シリーズ(ドストエフスキー等)

モンブランの主力ボールペンはマイスターシュテュックです。昔は164という呼び方もありました。現在では3サイズが存在、モーツァルト(小型)、くれっしく(標準)、ル・グラン(大型)と呼ばれています。ル・グランはクロスのアベンチュラとサイズや形状がそっくりです。高額になり過ぎたマイスターシュテュックの代用品として購入する人もいます。

クラシックの胴軸径は12mmであり、鉛筆よりは相当太いです。しかしペン先は細くなっているし、気になる程ではありません。おかげで快適に握ることが出来ます。ゴールドやプラチナラインに加えて、画像のようなウルトラブラックと呼ばれる限定品や、金属製のマイスター・シュテュックも存在します。

ジェネレーションはマイスターシュテュック・クラッシックを一回り細くしたボールペンです。きちんと調べてはいませんが、ドイツではマイスターシュテュックよりも細軸の方が販売本数が多かったとのことです。そのせいか分かりませんがジェネレーションは廃盤となり、クルーズ・コレクションという角張ったデザインに変更されたモデルを経て、現在ではPIXシリーズとして販売されています。

マイスターシュテュックよりはお手頃な価格ですが、それなりの価格になっています。細軸シリーズも大変使いやすいのですのが、残念ながら気軽に購入できる価格では無くなってしまいました。

そうはいってもPIXシリーズはカラーリングが現代的になり、インクの多色化(現在では純正芯の緑も存在)も実現されたので、昔ながらのデザインとカラーだったジェネレーションよりも垢抜けた逸品になったと評価できます。

スター・ウォーカーは若年層を意識して考案されたそうで、流行の太軸となっています。ただし特に太さを確保しているのは手を添える部分なので、そこらへんで見かける「単なる太軸」よりは握りやすいです。ボールペン本来の60-90度で持てば、マイスターシュテュックよりも精密に、ペン先をコントロールできます。モンブランにとってのNo.2ボールペンと言えます。

ボエムはスターウォーカーのように、マイスターシュテュックよりも一回り太くなっています。ただし全長が短めに抑えられていて、もっぱら女性に人気があります。クリップ部分に人工ダイヤが付いているので、「ザ・筆記具」というよりも「装飾品」に近くなっています。

ホテルのコンシェルジェがお客様用に使うこともあり、稀にそういった場で見かけることがあります。ちなみに私がビジネスシーンで見かけるのは、マイスターシュテュックとスターウォーカーの二択です。スターウォーカーなどは特徴的な形状なので、お客様や上司とかち合う危険があります。

そういう意味で「自分だけ」と言えるのは、作家シリーズと呼ばれる限定品です。これは作家だけでなく、アインシュタインのような科学者の名前を付けられることもあります。

正直デザインを珍しくして名前を付けただけので、機能的な面でもメリットは全くありません。私の場合はこれにヒントを得て、自分のアウロラ・オプティマのグリーン軸を「江戸川乱歩」と勝手に名付けています。

もぐらさんと漫画家のお母さんは洗濯機に愛称を付けていたそうですし、同じようなことをやっている方は結構多いかもしれませんね。

専門家もオススメ

さてこのようにモンブランといっても選択肢が豊富になりましたが、やはり専門家がオススメしているのはマイスターシュテュックです。文具ライターの小日向京さんなどは、「惚れぼれ文具」という著書において、”ベスト・バランス” と激賞しています。

ちなみに彼女は相当ハマっていて、”片手ペン出し” といった使い方も紹介しています。これはツイスト式であるマイスターシュテュックを、片手だけでクリップを回すことによってペン先を出して、直ちに使えるようにする技なのだそうです。

マイスターシュテュック一筋十数年の私ですが、言われてみたら片手だけでボールペンを扱うことは少なかったです。別に苦労せずに同じことが出来るのですが、年季が入っているためなのか、両手でそっと扱うクセが付いているようです。

ちなみに彼女だけではなく、「最高に楽しい文房具の歴史雑学」のジェームズ・ウォード氏なども、マイスターシュテュックを鉄板ボールペンとして評価しています。

そういえば横浜そごうのモンブランブティックを訪問した時も、店員のオジサマは年季の入ったマイスターシュテュック(ゴールド)を使用なさっていました。スーツの胸ポケットから取り出す有様が、実に絵になっていて感心しました。

特に接客業に就くスタッフには必需品と言えるかもしれません。

百均にもソックリさんが存在

これは過去の記事でも紹介しましたが、本当に良く似たボールペンが販売されています。それだけ「モンブランのマイスターシュテュック」という存在は、真似る価値のあるボールペンなのだと言えるでしょう。

私の十数年に及ぶ使用歴

私はモンブランを使い始めて十数年に及びますが、ハッキリって大したことないです。

職場で昼寝する時に、机の角にぶつけて大きな傷が付いていたりします。しかし知り合いのママさんは、それこそ物心付いた頃から使い続けていたのではないかと思うほど、傍目から見ても年季の入ったマイスターシュテュックを使っていました。

私も義父のモンブラン万年筆をMikanお嬢様に引き継ぎましたし、そうやって家族で使い続けて来たボールペンなのかもしれません。

ともかくどんな時にも使えます。スターリングシルバーのように目を引く金属ではないレジンですけど、鏡面見上げの標準品は滑りません。手が動かせないように寒い時でも、しっかりとマイスターシュテュックをホールドすることが出来ます。さすがはモンブランだと感心します。

(ただしマット仕様のウルトラブラックは滑ることがあるので、限定品とはいえ、ちょっと見た目重視に走り過ぎたような気もします)

そして純正芯の書き心地も良いです。モンブランを使い始めた十数年前の段階では、私のような独特な書き方に対応できたのはモンブランだけでした。

現在ではこれが三菱ジェットストリームによってパワーアップされており、あとは改造せずともカランダッシュのゴリアット芯やパーカー互換芯が使えれば完璧だと思います。

モンブランの油性ボールペンでパーカー互換芯のジェットストリーム替え芯さてモンブランの油性ボールペンでも、三菱鉛筆のジェットストリームやカランダッシュのゴリアット芯を使いたいという人は多いかと思います。 ...

まとめ (鉄板の安心度)

さてそんな訳で、モンブランのボールペンとしてはマイスターシュテュックがNo.1であるのは、誰しもが認めるところかと思います。

ただしモンブランだけがボールペンかというと、そんなことはありません。文具ライターの小日向京さんがオススメするように、アウロラのオプティマも書き心地は大変良いです。というか、マイスターシュテュックと同じような同軸径、重さなので当然かもしれません。

そしてアウロラのオプティマはパーカー互換なので、G2芯をそのまま使うことができます。工夫すれば、カランダッシュのゴリアット芯も大丈夫です。こちらはイタリアらしくカラフルなので、カジュアルな場には大変向いています。

ただし残念ながら、モンブランのジャイアントリフィル純正芯は使えません。”ジャイアント” なので、改造して装着する余地がないのです。

こうやっていろいろと考え始めると実に悩ましいですが、ともかくモンブランのボールペンでNo1.のマイスターシュテュックは、1本持っていても損は無いかと思います。

それでは、また。