オシャレな筆記具

カルティエのロードスターというボールペンの存在価値

我が家にはカルティエのディアボロというボールペンが存在します。

カルティエはご存知の方も多いかと思いますが、あの宝石関連で有名なカルティエです。いわゆるブランドもののボールペンです。

この使い心地が良かったので、前から興味のあったロードスターにも手を出してしまいました。

一週間ほど試していますが、どうやって付き合ったら良いのだろうかと思案する日々が続いています。

今回は理論派の私には未だ理解しかねる、カルティエのロードスター油性ボールペンをレビューさせて頂くことにします。

(ロードスターには万年筆も存在しますけど、さすがにそちらは決してレビューすることは無いでしょう)

宝石のためのペン

普通は筆記具というと、何かを筆記するための道具として製作されます。

その常識を打ち破った筆記具としてはファーバーカステルの伯爵コレクションが存在します。実用性よりもデザインを重視し、槍のように尖ったペン先になっています。

そしてカルティエのロードスターにも、伯爵コレクションと同じような雰囲気があります。ご覧の通りで、ペンに宝石を取り付けたというよりも、宝石のためにペンを製作したような雰囲気があります。

ペン先が槍のような円錐形なっているどころか、ボールペン全体が円錐形になっています。たしかに大きな宝石を付けようとすると、このような円錐形にする必要があります。

この宝石はカット方法からカボションと呼ばれているのですが、どうもカルティエとしてはこのカボション付近の部分を強調したいように見えます。それ以外の部分は冒頭画像の全体像から分かるように、恐ろしい程にシンプルです。

カルティエのロードスターのペン先

まずペン先の口金は、ご覧のように線が入っているだけです。ファーバーカステルのように模様は入っておらず、アッサリしています。

中央部分にしても、Cartierという文字が金属部分に刻まれているだけです。モンブランやクロスのように、三重環や二重環にはなっていません。

アウロラのオプティマの場合には、グレカパターンが刻まれています。カルティエの名前から豪華絢爛であることを想像していると、このシンプルさには驚かされます。

またご覧のように、少しだけ見えているクリップも当たり前の形状です。

カルティエのロゴ

ロードスターは男性向けモデルと聞き及んでいるので、そういう意味で “意図的に” シンプルにしているのかもしれません。しかしそういった事情はともかく、カボションがハッキリと強調されているのは事実です。

なかなか思い切ってシンプルデザインに振り切ったものだと、感心してしまいます。

重さの克服

替芯(リフィル)はパーカー互換芯(G2芯)が利用可能です。このパーカー互換芯はアウロラやファーバーカステルでも採用されており、豊富なインクを選択可能です。

替芯アダプタを利用すれば、ジェットストリームだけに留まらず、水性インクのSARASAも利用可能です。(ちなみにジェットストリームは、現在ではパーカー互換芯も販売されています)

他のツイスト式ボールペンのロードスター愛好家には、三菱ジェットストリームで快適に利用できているいう人もいました。しかし私の場合、現在はカルティエの純正芯を利用しています。

カルティエのロードスターと純正芯

「なんで豊富な選択肢があるのに、わざわざ純正芯?」と思われるかもしれません。しかし今のところ、カランダッシュのゴリアット芯でさえ今一つなのです。いろんなシチュエーションに対応するには、やはり純正芯が一番なのです。

どうしてそうなるのかというと、ずばり「ロードスターの重さ」です。なんと台所の秤で測定したら、45gもありました。

世の中には50gを超えるボールペンも存在します。しかし普通は「重い」と言われることの多いボールペンでさえ、大抵は30g台です。私にしても、45gを超える重量級ボールペンは、このロードスター以外では1本だけしか所有していません。

(重量級ボールペンを2本も持っているだけで、滅多にいない存在かもしれません)

45gのともなると、わずかに持つところが少し変わっただけで、使い心地が大きく変わります。そしてこのカルティエのロードスターは自動車のロードスターと同じように、スポーツカーのように ”アンダーステア” に設計されています。

つまりブルーサファイアのあるカボション側に重心が置かれているのです。身長170cm程度で指先の短い私が持つと、どうにも釣り合いが取れません。

まあその気になれば、ボールペンを垂直近くまで立てて筆記することによって、パイロットのHI-TEC-C水性インク(0.4mm)でも快適に書くことができました。しかしそれは、あくまで机に正しい姿勢で向かっている時に限定されます。

これをいつものようにボールペンを斜めにして書こうとすると、水性インクや低粘度油性インク(ジェットストリーム)では字体の乱れが増幅されてしまいます。ただでさえ悪筆の私が、さらに読みにくい字を書くという悲劇になります。

これを防ぐには、カルティエの純正芯の「油性インク本来の書き心地」が最も似合っているのです。それにカルティエはモンブランと同じリシュモングループ企業です。そのせいなのかモンブランに近い印象の、インク量が一定した書き味を実現しています。

もちろんロードスターとジェットストリームという組み合わせでも快適に使うことが可能ですけど、その場合は先程のようにボールペンを垂直近い角度で持つことになります。

机に向かっていない時は、「ノートや手帳の角度を、ロードスターの角度に合わせる」という本末転倒な状態となります。(^^;)

そんな訳で今は、カルティエの純正芯を使い、基本的には署名用の筆記具として使うことになる訳です。

なんというか、本当にこのあたりには「カルティエの意地」といった雰囲気を感じます。ともかく宝石を使った装飾品としての価値を最優先し、筆記具としての機能は二の次とする。実にあっぱれとでもいうのが良いでしょうか。

それにしても45gは本当に重いです。ロードスターの後でモンブランのマイスターシュテュックなどを握ると、本当に同じ油性ボールペンなのだろうかと驚かされてしまいます。手に羽が生えたような感じさえすることもあります。

「カルティエのロードスター油性ボールペン、実におそるべし」です。

まとめ(存在意義)

本当にカルティエは、どうしてこのようなヘビー級に重いボールペンをデザインしたのでしょうか。

一週間ほど使ってみましたが、未だにピッタリとした活躍場所を見つけることができません。

署名する時には悪くないですけど、署名するような重要書類は個室での作業となることが多いです。

高級ボールペンは見せびらかしてナンボの存在だと考えると、明らかに異質です。さてどうやってこの超重量級ボールペンを活用すべきか。

謎は謎を呼ぶばかりです。

それでは、今日はこの辺で。ではまた。

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記事作成:四葉静