ファーバーカステル

【筆記具の贈り物】トムハンクスはファーバーカステルのシャープペンシル

好奇心というか憧れというのは厄介なもので、ダヴィンンチ・コードでトムハンクス演じるロバート・ラングドン教授が使用していたファーバーカステル伯爵コレクションのエボニー軸のシャープペンシル(メカニカル・ペンシル)を購入してしまった。今回はその使い勝手をレビューしてみたい。

まず福山雅治が演じるガリレオ湯川学教授もファーバーカステル伯爵コレクションのエボニー(黒檀)軸でアネロという油性ボールペンを利用しているが、このシャープペンシル(英語だとメカニカルペンシル)も、ペン先の金属部分が槍の先端のように尖っている。

ちなみに “アネロ” というのは、輪という意味である。それで湯川学先生のボールペンは本体に金属の輪が幾つも模様として存在したが、こちらはエボニー部分が分かれることなく、一本となっている。

恐ろしいことにボールペンでさえ33gだったのに、こちらは36gだ。今まで0.7mmのシャープペンシルは何本か使ったことがあるけれども、それらは全て10g以下だった。異質の重さである。書き心地も異質である。

シャープペンシルというと、書く時には「カリカリ」という音を連想する。しかしこれは、「コツコツ」である。この感覚が、私には大変心地よい。こちらもボールペンと同じく伯爵コレクション(クラッシックコレクション)なので、軸のバランスが満足できないという人もいる。普通の書き方をしている人には全く問題ないが、出来るだけペン先を持とうとする癖の付いている人にはオススメできない。

逆に私のように万年筆に慣れているとペン先を斜めにして書きたくなることもあり、そういう時には重さが書きやすさを助けてくれる。機会があったら、ぜひ実際に試してみることを強くオススメする。試してみれば、これが日本のシャープペンシルとは全く異なる存在であることが分かる。

最近はホワイトボードが流行しており、我が家のお嬢様も驚くほど上手に使いこなす。しかし私は紙とシャープペンシルを使い、気に入らないところは消しゴムで消すタイプである。したがってシャープペンシルの存在も欠かすことが出来ない。今後は貴重な戦力になってくれるかと思う。(ただし私がYシャツに入れて快適と感じるのは25g程度が限界のようで、36gのこのシャープペンシルを持ち歩くことは無さそうに予想している。)

ところで興味深いのは、どうして映画ダヴィンチ・コード(The Davinci Code)で、トムハンクスの演じるロバート・ラングドン教授が、このファーバーカステル伯爵コレクションのエボニー軸シャープペンシルを利用しているかという点だ。そもそも米国ではシャープペンシル(メカニカル・ペンシル)は、あまり普及していない。学生でさえ、ボールペンが多い。ハーバード大学が販売しているのも ”ハーバード大学ロゴ入りボールペン” である。

モールスキンの手帳やジョッターまで使いこなす文房具マニアなので、理由がありそうだ。一体どうしてなのだろうか。

これに関する私の仮説は、今のところ次のようなものだ。

まずハーバード大学のあるボストンは、冬は寒くなる。屋内ならばともかく、屋外は相当な寒さが予想される。別にハーバード大学でなくても、米国北部は寒い。そういう環境で屋外のフィールドワークをすると、ボールペンではどうしても書き具合が使い勝手が悪くなることもありそうだ。また古文書などは汚してはいけないので、フィールドワークをする場合は万年筆は好まれない。そもそもジョッターというメモカードを持ち歩くような人だ。筆記具は場所を選ばずに使うことになりそうだ。だからシャープペンシルの出番となる。

それにしてもトムハンクスはさすがである。私も興味を持ってファーバーカステルの伯爵コレクションのシャープペンシルを持ち歩いてみようとしたけれども、1日で挫折した。何しろシャープペンシルは使わない場合、芯を引っ込ませることが望ましい。これをツイスト式のファーバーカステルでやろうとすると、両手が必要な作業となってしまう。つまり、めんどくさい。

おまけにジャケットの内ポケットに入れようとすると、ペン先が引っかかってしまう。映画ではトムハンクスが何度も気軽に出し入れしていたけれども、あれは一体どうやったのだろうか。少なくとも私には真似できない芸当である。

たしかに書き心地は大変に良いし、手帳などとの相性も良い。しかし私の場合、Yシャツのポケットにボールペンを常備し、必要が生じた時には小銭入れの中にあるレシートにアイディアなどを書き込むことになりそうだ。

あともう一つ気になるのは、どうしてこのようなシャープペンシルを持っているのか、だ。日本の大学とは異なるけれども、かなり以前に原書を読んだ時に、大した給料ではないとボヤいていた記憶がある。ボールペン万歳という文化の中でプレゼントされるとは思わないし、必要経費として自ら購入したのだろうか。

話の本筋とは全く関係ないが、なかなか気になるところである。

(2018年12月22日追記)
映画で使用されているモレスキンの手帳は私も持っていたので、高額な手帳なのでもったいないと思いつつも、再び使い始めてみた。

そうしたら三菱ジェットストリームの4c芯(0.7mm)で、文字が掠れるという現象に遭遇した。(1.0mmだと特に問題なし)

モレスキンの手帳は携帯性と耐久性が抜群だけれども、もしかしたら筆記具を選ぶのかもしれない。

(その際の顛末記は下記記事にて報告)

ファーバーカステルでパーカー互換ジェットストリームや1.0mm版自分でも予想していたように、とうとう「やって」しまいました。 ファーバーカステルのイントゥイション油性ボールペン(伯爵コレクション...