ファーバーカステル

【レビュー】ファーバーカステルのイントゥイションは、単なる太いボールペン

さて偶然、ファーバーカステルのイントゥイションの存在を知った。さっそく人柱として試してガッカリした。購入検討する人のために、何にどう失望したのかをレポートしておく。

まずイントゥイションは “神戸の万年筆屋さん” によると、伯爵コレクションから新しく発売されたシリーズとのことである。

従来の伯爵コレクションは最高の素材を使い、実用性よりもデザインと高級感、そしてファーバーカステルらしさを追求しているとのことだ。私も同じように感じている。

今回購入したイントゥイションは、ファーバーカステルらしさを維持しつつ、実用性を重視したものなのだそうだ。デザインアイデンティティは守られているものの、万年筆屋さんはペリカンに近づいたとの印象を受けているとのことである。

「全体のサイズ、持った時のバランス、キャップの尻軸への入り、ボディ素材など、そのものの価値を実用に振った仕様にイントゥイションはなっています」なのだそうだ。

モンブランと違ってファーバーカステルはAmazon自身が販売していることもあり、ついつい好奇心に負けて購入してみた。

(ちなみにモンブランはネット販売に難色を示しているためか、Amazon自身から購入することが出来ない。キングダムノートさん等の信頼おけるショップから購入する必要がある)

さて届いた品物をさっそく開封してみた訳だけれども、感想は「太い上に寸胴(ずんどう)!」の一言に尽きる。普通の伯爵コレクションよりは実用性が高いかもしれないが、モンブランのスターウォーカーの方が遥かに持ちやすい。

私のスターウォーカー使用年数を差し引いて考える必要があるだろうけれども、他の太目のペンも寸胴(ずんどう)ではない。どこが実用的なのかを、直接9代目伯爵に小一時間ほど問い詰めたい心境にかられた。

一般的な四色ボールペンと同じような寸胴的な太さで、重量は伯爵コレクションの33gである。正直言って、手に持った時のバランスも満足できなかった。

デュポンのディフィ替え芯を使ってみたけれども、書いていて楽しくない。もしかしたら三菱ジェットストリーム(JETSTREAM)やパワータンクにしたら、書き心地は改善するだろうか。

ともかく今日の私は結局、普通のファーバーカステル伯爵コレクションのグラナディラで一日を過ごした。替え芯にはリフィルアダプタでZEBRA 4C-0.7芯を使った。

これだと綺麗な文字を書くことが出来るし、何よりも書くことが楽しくなって来る。それこそが本当の実用性だろうと言いたくらいだった。

ところでこの記事を書いている時に、ふと気づいたことがある。神戸の万年筆屋さんの記事投稿日である。

つまり、イントゥイションが登場してから2年後に、彼はギロシェから伯爵コレクションのエボニー軸のボールペンに移行した訳である。と、いうことは、彼もイントゥイションを選ばなかった訳である。

それに私は中古品を購入したので気付かなったけれども、よくよく見たらイントゥイションは従来の伯爵コレクション以上に高額な商品である。万年筆屋さんには申し訳ないけれども、これで「リーマンショックを反映して時代の流れに対応した新しい実用的筆記具」と言えるだろうか?

リーマンショックによる売上減少は意識しているかもしれなし、実用性を重視した設計ということに異論はない。しかし材料費や加工の手間があるかもしれないが、従来の伯爵コレクションよりも高額な商品を投入して来るのは、あまり時代の流れに沿っているとは思えない。

今までの伯爵コレクションは高額といっても、モンブランの主力製品であるマイスターシュテュック相当だった。今回はモンブランのポエム等の高額製品に該当する。

そしてファーバーカステルには申し訳ないけれども、少なくともイントゥイションのボールペンは成功作とは言えないと思う。実用性とエボニー等の相性は今一つだ。

さてところで私が使っている伯爵コレクションのグラナディラ(従来製品)だけれども、不思議なことにリフィルアダプタとZEBRA替え芯4C-0.7の組み合わせによってギロシェ以上に書き心地が良くなっている。

半ば体の一部と化しつつあると言える程の状況である。これはリフィルアダプタの後端をネジと逆方向に回して取り外し、適当なものを詰め込むことによって、芯の出る部分を自分好みに調整出来ていることが理由かもしれない。

パーカー互換芯というのは選択肢が多いのは良いけれども、モンブランと違って後端に何かを付けて、芯の出方を微調整することが出来ない。

なんだかんだいって、やっぱりモンブランは実用性が高いなあと感心した次第である。

ま、今の私は伯爵コレクションを満喫していますが。

それにしてもモンブランのマイスターシュテュックも良いけれども、スターウォーカーの持ちやすさには改めて感心した。替え芯に好きなものを選ぶことが出来なければ、おそらくスターウォーカーが最も書き心地の良いボールペンかもしれないと思う。