替え芯道場

シグノ(水性ボールペン)と油性ボールペンの「ありえない」組み合わせ

「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」とは、”ジョジョの奇妙な冒険” の有名なセリフです。

今回はそのくらい衝撃的な話になります。

なにせ、冒頭画像のようなモンブランのスターウォーカー(油性ボールペン軸)で、なんと三菱鉛筆のシグノ水性インクが使えているのですっ!

今までブングスキーさんや私のような改造魔人は存在しますが、ここまで限界を攻めた者は存在しないでしょう。

今回はどうしてスゴいのか、誰にでも分かるように、順を追って説明したいと思います。

ローラーボールを使わない理由

万年筆に憧れる人は多いでしょう。見た目だけでなく、あの書き心地は病みつきになります。

それに筆記角度が鉛筆並みの50度くらいでも大丈夫なので、私などは中学生時代から万年筆を使っていました。

でも万年筆は手入れが大変です。それから会議の時など、キャップを開放したままで放置することも出来ません。

それで私はサインなどのために、常にYシャツの胸ポケットに油性ボールペンを刺しています。

しかし… 油性ボールペンは長時間の筆記には向いていません。油性独特の書き味だと、腕が疲れてしまいます。

そこで近年は水性ボールペン(ゲルインク)が流行しています。オバマ大統領もトランプ大統領も使っています。

しかし… キャップ式の水性ボールペンは、今一つなのです。決してYシャツの胸ポケットを汚さないという点は優れていますが、キャップの扱いが微妙に面倒です。

文房具店へ行くと分かりますが、水性ボールペンの半分以上はノック式です。

そして特に高級筆記具において、キャップ式は問題となります。キャップを付けると重心バランスが悪くなるし、付けないと軽すぎる。

モンブランのジェネレーション、クロスのセンチュリー2などは、いずれも十分満足とは言えませんでした。逆に数千円で入手可能なLAMYの方が使い心地が良いです。

それで私に限らず、油性ボールペンの本体軸で水性ボールペンのインクを使いたいと思う者が存在するのです。

実用性を追い求めると、たとえYシャツの胸ポケットが汚れるリスクあっても、私たちはキャップレスのボールペンを使いたいのです!

SARASAと替芯アダプタ

さて油性ボールペンの本体軸を使いたいという需要があるため、パーカーやモンブランには水性インクの替芯(リフィル)が存在します。メーカー純正品は存在しないので、名も無いメーカーの互換品が多いです。

正直言って、私が試した替芯に満足できるものは存在しませんでした。そういう者のために販売されているのが、替芯アダプタです。

現在はZEBRAから4c芯のSARASA水性インク(ジェルインク)が販売されているので、これで満足できる人も多いです。ちなみにペン先の隙間がカタカタと音を出すという人もいますが、それはセロテープなどを巻き付けて解決するのです。

リフィルアダプタ

ただし私の場合、どうも4C芯との相性が良くないです。JSB-0.5(JSB-05)という0.5mmブラックだと、書き始めがサインペン並みということがありました。

4c芯のSARASA

またJSB-0.4(JSB-04)のブルーブラックだと、今一つ薄かったこともあります。

なんでこのようになるのかは、正直よく分かりません。ただ細い芯に少しだけインクを入れる形になるので、どうしてもインクフローが安定しないのかもしれません。

プラスチック芯の利用

「パンがなければお菓子を食べれば良いじゃない」と発言したのは、フランス王妃だったマリー・アントワネットです。

4c芯では満足できないならば、ジェットストリームと同じくプラスチック芯を使えば良いです。今回はSARASAだけでなく、パイロットのHITEC-Cコレクトも試してみました。

HITEC-Cコレクト

もちろん替芯アダプタは利用できません。それに無加工だと、ペン先がぶつかって使い物になりません。

仕方がないので、カッターナイフでプラスチック部分を削ります。そして根元側には、大型付箋紙などを巻き付けて手製リフィルを作成するのです。

HITEC-Cコレクトは女子高生に人気ですが、おじさんの私だって使ったことがあります。水性インクとしてSASASAとSigno並みに活躍してくれました。

HITEC-C装備のマイスターシュテュック

「量は質を兼ねる」と言いますか、数多く売れている替芯にはハズレが少ないです。相変わらず快適に使えるので、モンブランのマイスターシュテュックのうちの1本には、HITEC-Cを装着して毎日使っています。

毒食らわば皿まで

さていつものように改造に手を出してしまいました。しかしHITEC-C程度では満足できません。

やはりコストパフォーマンスを考えると、ノック式ボールペンに収納されている替芯(リフィル)が優れています。それに何より、ン三菱鉛筆のSignoだとノック式ボールペン用の替芯しか販売されていません。

しかし… そのままでは装着どころかペン先を拝むことも出来ません。ちなみにモンブランのジェネレーションでも、ローラーボール・ペンならば無改造で装着可能です。

実は今までは、さすがに形状が違い過ぎるので諦めていました。しかしこの一年で、私も「いろいろな」経験を積みました。それに何より、お手頃価格で替芯を入手できます。

シグノとモンブラン

結論からいえば、上記の画像のように改造したところ、幾つかの油性ボールペンに装着することができました!

  • モンブランのスターウォーカー
  • モンブランのジェネレーション
  • カルティエのディアボロ
  • カルティエのロードスター
  • カルティエのロードスター

今のところ成功したのは、この4本だけです。モンブランのマイスターシュテュックとPIXは、現在のところ成功していません。ダンヒルのサイドカーもダメです。アウロラのオプティマにも使えなかったし、逆に成功例があることを誇るべきかもしれません。

(2019年12月19日追記)

数本を犠牲にギリギリまで削ることによって、幾つかの軸でZEBRAのSARASA装着には成功しました!

  • ファーバーカステルのイントゥイション
  • アウロラのオプティマ
  • モンブランのマイスターシュテュック

ちなみに加工方法は難易度が高く、困難を極めます。まず最初にペン先の細い部分を、出来るだけ細くなるように削ります。それから段差となっている部分を削ります。

削る方向は、ペン先から根元の方向です。無理してプラスチックを削る訳でですから、安定性が無くなります。根元からペン先の方向でプラスチックを削ろうとすると、先端部分は簡単に外れてしまいます。

ZEBRAのSARASAは比較的楽なのですが、Signoの難易度は高いです。ZEBRAのSARASAにはアッサリ成功したものの、その後のSignoでは2本を犠牲にしました。

この貴重な経験値により、3本目からは問題なく”加工”できるようになりました。ただし、作業には5分以上を必要とします。貴重な時間が、このような作業で消えていくのは悲しいです。

しかしそれでも、私はインクが無くなったら、再び加工作業を実施するでしょう。このSignoとスターウォーカーで実現される書き心地は、他の筆記具では実現できません。

そのうち子供がアルバイトで作業してくれるようになるまで、私は上記画像のような替芯を作り続けることになりそうです。

まとめ

そういう訳で衝撃的というか、「開いた口が塞がらない」ような顛末記でした。このようなことが可能なのだと、驚いた方も多いでしょう。

それにしても本当に、水性インクのSigno(0.38mm)とモンブラン・スターウォーカーの組み合わせは最高です。おまけにノック式ボールペンの替芯を使えるので、コスパも抜群です。

しかしそれにしても、本当に難易度の高い改造作業でした。材料費が安く済むのが、せめても救いでしょうか。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

—————————–
記事作成:四葉静