本番前日、試験と締切に追われる親子に休息の時はない (湘南日記)

某月某日、今年はじめて藤沢へ行った。

 感染も落ち着いて来たことは分かっていたので、本当はもっと早く行きたかった。
 しかしお嬢様の宿泊型研修があった。

「濃厚接触者となって自宅待機なんて、絶対になりたくない!」
「その通り、だから会社にも出来るだけ行かないこと!」
 と、家族会議で決議されてしまった。
 多数決になると、父ちゃんに勝ち目はありまへんなー

 そんな訳で、久しぶりの藤沢である。と、言っても、行くところは決まっている。
 我らが青春に潤いを与えてくれた「名店ビル」である。古久家といったレストラン、有隣堂という本屋、ゲームセンターと、皆がいろいろなところで日々を過ごしていた。

 もちろん、鰻屋の藤沢みのるも名店ビルの地下一階にある。先のブログ記事で紹介したように、昔は「みのる百貨店」だった。
 つまり創業当初から存在していた訳で、あらためてじっくりと暖簾を拝見すると、電話番号なども味わい深い表記になっている。
 ”ザ・昭和” ですな。

 ただしのんびりと過ごしたいものの、今日は時間がない。とりあえず髪切りと、子供に頼まれた東京エイリアンズというマンガを有隣堂で購入し、そそくさと帰って来た。

(ヘアサロンの店長には「えっ、すごい! ブログやっているんすか! 名前を教えて下さいよー」と言われましたよ。へっへっへ。たけど… 恥ずかしいからねえ… 今回は勘弁して貰いました)

 それにしても有隣堂は充実している。あまりに充実し過ぎていて、残念ながら自力では見つけることが出来なかった。
 現在の有隣堂の三階は、マンガと文庫本のコーナーとなっている。
 けっこう頻繁にレイアウト変更があるのだけれども、やはり三階をマンガと文庫本だけにすると、スペース的に広々としていますな。
 最近は全く行かなくなってしまったけれども、神田古書街の書泉グランデとか三省堂を思い出してしまった。

 そこでちょうど通りがかった店員さんに伺ったのだけれども、さすがである。
「あー、一巻から四巻までをご希望なんですね」
 と、確認するや、迷うことなく東京エイリアンズが飾られているコーナーへと静かに速く高速移動し、パッと四冊を渡してくださった。

『マンガの登場人物たちよりも、店員さんの方が特殊能力者なんじゃねーの?』
 と、思わず吃驚してしまった父ちゃんなのだった。

 そして店員さんのおかげで「依頼」を無事に果たすと、さっそく電車で帰路へ。
 さすがに車内から撮影されるのははばかられるので控えたけれども、快晴なので富士山が見事だった。

 で、自宅で昼飯を食べた後は、父ちゃんは午睡。
 どうも僕は「灰色の脳細胞」とやらをフル回転させる習性があるせいか、休憩が必要なのである。

 最近は知人に逆流性食道炎が流行しているが、僕も例に漏れない。座椅子を使って、少しでも楽になるようにしている。
(親父も座椅子で昼寝していた)

 昼寝が終わると、リビングでテーブルで子供と一緒に仕事をする。
 子供は最初は調子が出ないようだったけれども、父親をからかっているうちに、ペースが戻って来たらしい。
 顔つきも真剣になった夕方には、明日の数学テストの勉強が終わってしまった。
 来年の数学はレベル別になるとことだけれども、そのための参考になるテストとのことだ。最初はあっけにとられてしまった。
 そんなに淡白で構わないのか?

 ただし、これ、話を聞いてみたら納得がいった。
「随分と勉強量が少ないみたいだけれども、大丈夫か?」
「少ないとは失礼な! ちゃんとやったよ!」
「でも、学校から配布された問題集をやった量は多くなかったよね?」
「あ、それ、三学期になってから授業でやったところが範囲だから」
「三学期の分……」
 と、いう次第である。

 つまり察するところ、学校としては中学校入学時からの試験結果もあるし、基本的なデータは押さえている。
 今回のテストは、「ちゃんと学校で指導したところを復習しているか?」などをチェックすることが趣旨らしい。
 なるほどねえ。

 そんな次第で、とりあえず子供の方は一段落したらしい。
「それだったらば、先週の塾での英語指導された内容を父に説明して…….」と、いうのは控えることにした。
 本人なりに頑張った後で、「もっとやれるだろう」とすると、ブチ切れらる恐れがある。
 それに僕は僕で、締切などで忙しい。

 と、いうことで、欧米では安息日となる日曜日だけれども、我が家では粛々と通常運転を続けるのであった。
 そういえば年末年始も通常運転だった。その分だけ試験後に休んだりしているから、まあ仕方ないというところだろうか。
 あ、そういえば、僕は会社で大至急の仕事が入っているかをチェックしておかないと。

 それでは今回は、この辺で。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 ではまた。

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記事作成:小野谷静