[湘南日記] ぼくらはどこかで世界と関わっている

冒頭画像はコメダ珈琲店である。なぜか湘南というエリアには、愛知県の有力店舗や、静岡県の銀行などが多い。いろんな人々が集まって来ているということなのかもしれない。

ところで前回の記事に関して、先輩からコメントを頂いた。

先輩は2011年3月11日の東日本震災時には米国にいて、いろんな人から、いろんなコメントを貰ったとのことだった。

たぶん海外生活をしている日本人の多くが、次のようなパターンのコメントを貰ったんじゃないかという気がする。

  • 他国に迷惑をかけるお粗末な事件を起こしてくれた
  • 災害復旧後も大変だとと思う。痛ましい
  • 君もいろいろ大変だと思うが、がんばってほしい
  • 日本にいなくて良かったね
  • 知人や家族が大変だろう。悩み事があったら遠慮なく言ってくれ

ここで「迷惑なヤツだな」に関して、「そもそも第二次世界大戦でトドメとなったのは… 」と言ってはいけない。「そもそも第二次世界大戦を始めたのはお前たちだろう」と水かけ論になってしまう。

いや、今回のぼくは、先輩から頂いてコメントから感じたことを伝えたいのだ。それは、「ぼくらはどこかで世界と関わっている」ということだ。海外生活をしている者は実感していると思う。でも、たとえ日本で生活していても、ぼくらはどこかで世界で関わっている。

そしてこのことを、在宅勤務だとか他事情で、誰にも会わない一日を過ごしている人にも伝えたいと思ったのだ。「たとえあなたが自宅に引きこもっていたとしても、誰かがあなたと繋がっているので安心してほしい」、と。

ぼくはブロガーとして2005年から活動しているから、このことを当たり前すぎて忘れてしまうことがある。何しろブログでのコメント対応に疲れて、今はTwitterとメールだけに対応を絞らせて頂いている程だ。それくらい、他人と関わってしまっている。コミュニケーション能力の低さは自慢できる程なんだけれども。

そういえば呪術廻戦というマンガでは、良きに付け悪しきにつけ、人は誰かに影響を与えると登場人物たちが言っている。その通りだと思う。だから少しでも、「全体として良い方向で影響を与えることが出来た」と思って、この世から消えて行きたいんだ。

特に昨日は3月31日という、多くの会社員にとってはイベントの多い一日だった。それから買い物に外出した際に、予想しない「縁」が出来てしまった。

駅前から自宅に戻ろうとした時に、車道から歩道に登ろうとしていたおばあちゃんに声をかけられたのだ。

「ちょっと、そこのあなた! 助けて貰えるかしら!」と。

最初は一体、何事かとびっくりした。

このいきなりの声がけに続いて、「リュックを背負わせて貰えるかしら?」という言葉が飛び出して来たのだ。最初の五秒くらいは、一体どういう状況なのかパニックに近い状況だった。新手の勧誘活動?

しかし気持ちが落ち着いたら、ようやく状況が分かって来た。

そのおばあちゃんは、誰かに車で駅前のロータリーまで送って貰ったのだ。そして手に持っていたリュックを歩道に置いて、誰かに別れの挨拶をした。
そして自動車は走り去り、彼女も自宅へ戻ろうとした。しかし両手に二本の杖を持っていることから分かるように、体が自由に動かない。だからリュックを背負うのを、誰かに手伝って貰いたいと思ったのだ。そう考えると、全てが納得できる。

ぼくが0.01秒の間に考えたことは、どうやら当たっていたらしい。リュックサック(エラく重かった!)を背負うのを手伝い、一緒に歩き出した時に、彼女に言われた。

「助かったわー あそこの人たちは声をかけても、助けてくれなかったのよ!」

うーん。失礼ながら、そうかもしれない。

彼女のリュック(バックパック)なんだけど、見た目は本当に軽そうなのだ。手伝ってみて、中身は全て「米」なんじゃないかと思うくらい、重たいことが分かった始末だ。

おまけに何やら、見るからに元気そうだ。妙なエネルギーを発散している雰囲気を感じてしまう程なのだ。車から降りてバイバイと勢い良く手を振ったおばあちゃんから、同じように勢い良く、「ちょっと助けて!」と呼びつけられたとしても、訳が分からずに途方にくれたかもしれない。
とりあえず、「それは大変でしたね。昨今のご時世だから、みんな戸惑ったり、いつもと同じようには行かないことが多いですねー」とか、我ながら意味不明の返事を返すのが精一杯だった。
(おばあちゃん、大きな声で手伝わなかった人々にも聞こえる大声で言ったのだ。それでぼくとしては、「まあまあ落ち着いて」という感じで返事をした訳だ)

とりあえずぼくとしては、他に誰も助けてくれなかったからなのかもしれないけど、ぼくを頼ってくれて嬉しく思った。
そして改めて、たとえ周囲に迷惑をかけまくってばかりいるような、ぼくのようなロクデナシでさえ、少しはお役に立てることがあるんだなあと思った次第だ。
またこうやって、たとえぼくのような者でさえ、どこかで世の中と繋がっているのだなあと。

とりあえず明日、というか、今日は四月一日だ。
エイプリールフールの日だし、多くの会社員にとっては、新年度の始まりの日だ。
たとえどんなところで何をすることになっていても、まずは自分の出来ることを出来る範囲で構わないので、少しずつでも挑戦してみようじゃないか。

(ぼく自身も新設された部署への異動となる。何をやるのかは全く知らされていない。わはははは、は)

とりあえず今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静 (おのたにせい)

P.S.
そう、エイプリールフールの日なのだ。くれぐれも、ご用心、ご用心。