やる気スイッチを入れる方法 (湘南日記)

某月某日、子供の冬休みの宿題が、予定通りの一月四日に完了した。
あー、つかれた。

「『つかれた』で済むなら、良いじゃないですか。うちなんか、始業式前日の夜中までかかりましたよ!」
と、おっしゃる方も存在するかもしれない。

もっとな話である。
我が家もかつては、休み終了日の夜中まで、必死に頑張っていた。
いや、それどころか、宿題提出日の前日夜というパターンまであった。うーん、全く自慢できる話ではない。

しかし現在の我が家では、予定通りに学習を進めることが出来ている。
どうやっても子供がやろうとしないご家庭から見ると、本当にうらやましいかもしれない。
我が家も最初のうちは大いに苦労した。

TVコマーシャルでは「やる気スイッチ」などと宣伝しているけど、塾や教材で人間の心を変えることが出来れば素晴らしい。
我が家の場合は、未だに「やる気スイッチ」など存在しない。
ヤツは先日、こんなものを購入して帰ってきたほどだ。

それではどうして、やる気もないのに「やれてしまう」のかというと、もちろんタネも仕掛けも…… ある。

まず最低限のこととして、こちらには勉強をして貰う大義名分と、子供にはささやかであっても「やらなければならないという意識」くらいは必要となる。
さすがに「やる気ゼロ」なのに無理やり勉強させると、ストレスで壊れてしまいかねない。

そう、本人が自ら自分を「勉強させる」のである。
そのためには第一段階として、スケジュール帳などで計画を立てることが必要となる。
そして次に、僕の出番となる。

僕の役割は簡単で、子供と一緒の場所にいて、子供が宿題をやっていることをチェックする。
それはもう、手が動いているのかというレベルで、徹底的にチェックする。

実は最初のうちは、同じリビングにいてもダメだった。
なんでも「デキル子」というのはリビング学習派が多いとのことで、試しに真似てみたことがある。しかしその時は、全く効果がなかった。

勉強をちゃんとやっているか、手の動きで確認しなかったからだ。
ただ机に向かって、参考書やテキストを開いただけでは不十分なのだ。それで済むくらいならば、十分に「やる気スイッチ」を持っていると言えるだろう。

本人も言っているのだけれども、斜め前くらいに座って、定期的にチェックして貰わないと集中力が出て来ないのだそうだ。
そこまで「やらなければならないとは思っているけど、やる気が出て来ない」訳だから、やさしい母親が見守る程度では足りないのだ。
いざとなったらブチ切れて暴れ出しかねない、雷おやじの圧倒的な存在感が必要なのである。

で、父親から指摘が入ったらば「もっともだ」と思えるように、父親側に大義名分が必要となる。

呪術廻戦ゼロでは「純愛」が「大義」に勝ったけれども、我が家では母親の愛情よりも、父ちゃんの大義の方が圧倒的なのである。
(勉強するという面に関しては)

だから我が家では、今のところ、予定通りに実施できるのは宿題に限定されている。
それから僕が定期的にチェックする訳だから、当然ながら子供が宿題をやる時間は、同じテーブルに貼りついている必要がある。

それで「僕もくたくたになった」という訳なのである。
これで中学二年生かと言いたくなるけれども、このくらいの年頃は精神年齢に個人差が大きい。
子供の友だちでも、まだ一人立ち出来ている子は少ない。

僕などは自分も含めて、周囲の全員が「自分のケツは自分で拭く」というタイプだった。
だから最初は戸惑ったけれども、今のところは、この方法が一番効果的な方法となっている。
やれやれ。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静