重くて使いやすいボールペンのオススメと見つけ方

使いやすいボールペンというのは、なかなか重いテーマである。世の中には “重いボールペン10選” とか “使いやすいボールペン5選” といった雑誌記事やブログ記事がゴロゴロしている。

でもね… そういった記事で紹介されているボールペンのことを知るのは興味深くても、それで自分の満足できるボールペンが購入できたという話は聞いたことがない。

友だちから紹介された筆記具だって、必ずしも自分に使いやすいとは限らない。

何しろ人間というのは十人十色で、筆記具の使い方など人それぞれだ。そういった人たちの全てに当てはまる筆記具というのは、残念ながら存在しない。だから一番のオススメは「文房具店へ行って、頼りになる店員さんへ相談に乗って頂くこと」となる。

ただし文房具店へ行っても、全ての筆記具が揃っている訳ではない。そこで今回は、幾つかの “重くて使いやすいボールペン” を紹介させて頂くことにしたい。

クロスのピアレス125

クロス・ジャパンの説明によると、「クロスで最も高級なボールペン」である。冒頭画像だと、黒いボールペンがピアレス125だ。万年筆、ツイスト式の油性ボールペン、キャップ式のローラーボールが全て揃っている。

よほどの無謀さがないと購入できない程の高価格ボールペンとなる。数万円は必要となる。実は黒ピアレスはスターウォーズのダース・ベイダー特別モデルとなる。これは限定1,977本しか製造されておらず、定価は税込みで2022年11月25日時点で、なんと60,500円もした。

だから購入オススメではなく、あくまで参考例となる。

  • 全重量:52g (純正芯も含む)
  • 本体部分:32g (純正芯も含む)
  • 本体部分の長さ:約121mm (替芯部分を含まず)

それにしてもこれだけの高級ボールペンなのに、僕はそのままでは満足しきれない。人間というのは、実に罪深い存在だと思い知らされる。

クロスのピアレス125を「最高に使いやすいボールペン」にする方法

なおクロスの場合は無理だけれども、モンブランやファーバーカステルならばジェルインクを利用することも可能だ。上記のブログ記事と同じように、ZEBRAのサラサ・ドライ替芯や三菱鉛筆のシグノ替芯を加工してしまえば良い。

ちなみに僕は46gのモンブラン・スターウォーカー (レッドメタルモデル) やカルティエのロードスターといった油性ボールペンを保有しているけれども、このプラスチック替芯の不要部分を削り落とす方法によって快適利用できている。

特にZEBRAのサラサ・ドライは先端部分を大幅に削ることが可能であり、30g台のファーバーカステル伯爵コレクションなどにも装着可能だったりする。また三菱鉛筆ジェットストリームのような低粘度インクをローラーボール型ボールペンへ装着することも可能だったりする。
(こちらは付箋紙を巻くだけで互換芯作成できるから、”コロンブスの卵” と言えるかもしれない)

クロスのエックス

さてコチラが今回の本番と言えるかもしれない。2022年12月4日時点では、5千円以下で販売しているECサイトも存在する。そのままでも十分に使いやすいけれども、少し手を加えると「これが同じボールペン」と感じられるほど使いやすくなる。

チェンソーマンのボールペンを作ろうとして、水星の魔女ボールペンになった件

何をやったのかは、上記のブログ記事に説明している。滑りやすい部分にはマニキュアを塗って滑り止めをする。それから「卍解(ばんかい)」せずに、「始解(しかい)」のまま使ってしまうというアイディアである。

ちなみにエックスはエッジという廃盤モデルの後継だけれども、エッジにしても31g (純正芯も含む) という重量だ。

  • 全重量:38g (純正芯も含む)
  • 本体部分の長さ:約129mm (替芯部分を含まず)
  • 本体部分の長さ:約141mm (替芯部分を含まず)

なぜ長さが変わるかというと、エックスの前後を持って引き伸ばすと、本体が伸びてペン先も出て来るメカニズムを採用しているからだ。ロボットが変形するようなイメージに近い。

エッジでは10年近く使えたという話を聞くから、エックスでも同じ10年くらいを期待しても良いだろうか。クロスに珍しく重心位置が中央あたりに配置されているため、使用中に38gという重量を感じることはない。

このエックスというクロスのボールペンで驚嘆するのは、使用可能時間だ。自然と紙面に対して直角近い角度で持つことになるため、ペン先の移動に力を必要としない。

おまけに三菱ジェットストリームの4+1のような多色ボールペンを若干上回る太軸ボールペンなので、ペン先の細かいコントールが容易である。「重いボールペンは長時間使えない」という常識を覆す次世代型ボールペンとも言えそうだ。

さらに加えると、僕が機動戦士ガンダム “水星の魔女” シールを貼ってみたように、自分の好きなシールを「デコる」ことが可能である。円筒型ボールペンの長所といえるだろうか。

しめくくり

以上の通りで、最近は次世代型の新モデルも登場しており、重いボールペンだから使いにくいという図式は成立しなくなっている。それにメーカー側は純正芯のみを保証対象としているし、たしかに純正芯は素晴らしいけれども、サラサ・ドライのような速乾性インクも登場している。

だから今までの常識が必ずしも通用するとは限らない。やはり勉強熱心な文具店のベテラン店員さんに相談して、自分のクセなどを把握した上でのアドバイスを貰うのが最適解への近道となるだろう。

それでは今回は、この辺で。ではまた。

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記事作成:小野谷静