日本は海外から血漿を輸入しているという話 (湘南日記)

某月某日、血漿の成分献血に初めて挑戦してみた。

関東地方を襲った寒波の影響で、献血パスの派遣中止などが生じた。そのために献血事業が滞ってしまったのだ。
ただでさえ血液が不足しており、神奈川県では「緊急のお願い」がWebサイトに掲載されている状況だった。

緊急の献血お願い

僕は人気のO型だけれども、2022年12月3日に400ml献血をしていた。だからヤンデル先生からの「余裕のある関東地方の住民は献血よろしくー」とツイートがやって来た時、「役立たず状態」だった。
何しろ次回の400ml献血可能になるのは、2023年2月25日だったのだから。

ただし「義を見て為さざるは勇なきなり」と言いたいところだ。
どうも輸血用に必要という可能性はあまりなさそうだけれども、血漿輸血は1月29日から可能になっていた。

「なさそう」というのは、素人の僕には詳細が分からないからだ。たしかに血漿は輸血に利用されるけれども、厚生労働省によると、海外からの輸入分でもカバーしている。
免疫グロブリン製剤の製造にも利用されている。

僕は純日本人であるけれども、米国在住して仕事していた時期がある。
そういう者から見ると、日本人というのは「超雑種」に過ぎない。
人類は南アフリカで生まれた一人の女性から始まったと言われているけれども、その子孫で超物好きな連中が、はるばると東アジアを経て日本までやって来た。
典型的なモンゴロイド系である僕の尻には、蒙古斑が存在する。

だから別に誰から輸血されても気にしないけれども、世の中には「国産」を主張する人々もいる。
おそらくは輸入した血漿は免疫グロブリン製剤などの製造に回され、輸血に利用される血漿は献血分が利用されている… ような気がする。
(ちなみに先のWebサイトによると、血漿の保存期間は1年間となっている)

国産メーカーの社員として、給料の90%以上を海外売上から支払われている者としては、ボヤキの一言も出したいところだ。
やれ国産、国産と主張するのは構わないけれども、海外の競合メーカーと張り合って頑張るのは大変だ。
日本国内の需要などたかが知れているし、今の日本が鎖国して自給自足を実現するのは無理がある。

もちろん税金や国益は大切だけれども、今の科学技術は一国だけでは成立しない。
元技術者からすると、利用できるものは何でも利用したい。
血漿にしても、部分的に導入している範囲に留まる。
(日本で「売血」すると問題になるし、そもそもコストが高くなって見合わない気がする…)

と、ボヤいているだけでは、誰にとっても嬉しいことはない。
ともかく献血ルームへ電話をかけてみた。
「余裕があるようならば2/2に血漿を成分献血して、ぜひ2/25以降に400ml献血して下さい」
とのことだった。

… なるほどねえ。
僕の気にし過ぎかもしれないけれども、血漿に関しては微妙な表現となるのも、なんとなく分かるような気がする。
もちろん献血だけでカバーできれば嬉しいので、少しでも多くの成分献血は嬉しいことだ。
しかし寒波が襲ったからといって、血漿は急激に不足しない。

先のWebサイトをご覧いただくとお分かりのように、赤血球や全血製剤の使用期間は21日だ。
そして血小板の使用期間が4日となっている。

これで受付の時に説明された内容も、理解できるようになってきた。
「場合によっては血小板の成分献血もお願いするかもしれません」というのは、まず200mlや400mlの献血から得た血小板を使うのだろう。
そして足りない血小板に関しては、成分献血で「適当な対象者」から血小板を頂戴する。
僕の場合は純正オジサンだから、劣化度が激しい。
おまけに次回の400ml献血が2023年2月25日以降から可能となっているように、献血対象者としては万全ではない。
僕の血液成分などを踏まえて、素晴らしい状況であれば「血小板も」となるのだろう。

ちなみに僕は献血予約をした際に、そもそも「血小板の成分献血」を選択することが出来なかった。
直近の献血ではγGTPや血圧は改善したけれども、白血球数が規定値を下回っていた。
かのドラキュラ伯爵から見ても、あんまり魅力的な獲物ではなさそうだ。

おまけに初めて成分献血に挑戦して痛感したけれども、やはり僕の血管は細い。
昔のかかりつけ医には、若い頃は運動部に所属していなかったから、毛細血管も細いと指摘されたことがある。
今回は何気ないフリを装っていたけれども、3回目に赤血球などを血管内に戻す際には痛さを感じてしまった。
献血後は痛みの感覚が走り、数時間は肘を曲げることが出来なかった。
僕も年齢的に相当だし、成分献血は遠慮しておくのが良さそうだ。
(看護師さんからも、「400ml献血で貢献するだけで十分でしょう」と言われてしまった)

そんな訳で、こうやってブログ記事を書いているということは、無事に「血漿の成分献血」は任務完了した。
しかし貴重な体験をできたことで良しとして、今後は400mlだけ貢献するのが良さそうだと分かった。

それに… 成分献血は遠心分離機で血液を分離する作業があったりするので、ともかく時間を要する。
おまけに可能なのは献血ルームだけれども、我が家では数駅離れたところにしか存在しない。

その気になれば自転車で行くことも不可能ではないけれども、僕も良い歳をしたオッサンである。
どうやら近所にやって来る献血バスで、400ml献血をするのが良さそうだ。

そして400ml献血しか貢献しない分、献血可能になったらコマメに献血へ行くのが良いだろう。
その方が血液を必要とする人、献血関係者、そして僕や家族に良さそうだ。
今回はお土産の「鰻のカバ焼き」を買って帰るのが遅れて、迷惑をかけてしまった。

藤沢みのるの鰻重

それでは今回は、この辺で。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた。

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記事作成:小野谷静